自分の思考と意識は同一では無い
多くの人は自分の思考と意識は同一と考えていますが
それは同時に発生しているために同一だと錯覚しているのです。
思考の源泉である脳は自分の意識とは別に動いています。
自分の脳が別に動くのは統合失調症を患っている人ぐらいだと
思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし精神病を患っていなくても
自分の脳が自分の意識と別に動くことは日常的に起こっているのです。
なぜかは自分の思考を止めようとしてみればすぐに分かります。
思考を止めようとしても長くは続かず何らかの思考が湧いてきます。
それは自分の脳が自分の意識とは別に動いているからです。
分かりやすい例が音楽です。
ふいに頭の中で音楽が流れる時があります。
大抵は自分のお気に入りの曲が流れますが、
たまになぜこの曲? と選曲に疑問が浮かぶような曲が繰り返し流れることがあります。
それこそが自分の脳が自分の意識とは別に動いている証拠なのです。
思考と意識は別であると認識すると自由意志も認識できるようになります。
怒りの思考が出てきたとします。
何も考えずにその怒りに乗った時、そこに自由意志はありません。
怒りの思考が出てきた時に一度思考を止め、
怒るか怒らないかを選べる状態にし、さらに怒らないことを選択できれば
自分に自由意志が存在していると言えるのです。
自分の思考を止めようとしてみる。
そこから湧いてくる思考を客観的に観察する。
その客観的に観察しようとする存在、それこそが自分の意識の核なのです。
自分の思考と意識は同期していますが決して同一ではありません。
これを認識できれば思考や感情に振り回される機会は格段に減ります。